投稿日時:2018年7月12日
深刻な保育士不足!本当の理由とサポートについて徹底解析!
保育士になりたい人が減っている?保育士の数の推移について
働きながら子育てをする人にとって、保育所は命綱といっても過言ではありません。しかし、政府や自治体が対策を講じているにもかかわらず、保育所不足や待機児童問題はなかなか解消されないのが現実です。
保育所は毎年増設されています。そして、実は保育士も増加しているのです。厚生労働省発表の保育士試験の実施状況によると、平成26年の保育士試験受験者数は、平成20年に比較して約1.5倍、合格者数は約2.5倍も増加しています。ところが、保育士の求人倍率は年々増え続け、平成26年度12月の有効求人倍率は2倍を超えました。東京都だけで見ると、平成27年8月には5倍近くにもなっています。このことから、保育士になりたい人が減っているわけではなく、実際、保育士は増えているにもかかわらず、保育士不足に陥っていることがわかるでしょう。
保育士が置かれている現状とは?
保育士が増えているにもかかわらず、保育士不足になる原因として、1つ目は保育所新設数に保育士数が追い付いていないこと、2つ目に保育士登録者が保育士として就業しないことがあげられます。厚生労働省の調査によると、保育士登録者数約119万人のうち、保育士として勤務している人はおよそ3割の43万人ほどです。
保育士として就業しない理由にはさまざまありますが、最も多いのが賃金の低さです。保育士の平均賃金は、民間平均に比べて100万円も低くなっています。さらに、責任の重さや事故への不安、休暇の取りにくさなども理由にあげられています。
保育士は離職率の高さも際立っています。保育士になって1~5年未満で退職する人が約5割、10年未満の離職率は約8割です。責任が重く、休みも取りづらい割に賃金が低いことが、保育士として働き続けることへの希望を見いだせない大きな理由といえるでしょう。
自治体で行われている保育士へのサポートについて
各自治体では、保育士不足解消のためにさまざまな取り組みを行っています。
保育士登録をしていても保育士として働いていない潜在保育士は、76万人もいます。中には、保育士として働いた経験があり、何らかの事情で離職したものの、復帰を希望する人もいます。復帰したくても長い間のブランクが不安だったり、自分が子育て中だったりする場合もあります。札幌市では潜在保育士に向けた支援セミナーを開催し、復職の後押しをしています。また、仙台市は保育士の子どもの保育料を無料にして、保育士が育児のために離職することのないようサポートをしています。経験のある保育士が現場に復職することで若い保育士の経験不足を補ったり、長く働き続けるモデルケースになったりすることが期待されています。
政府も保育士の人材確保のために、賃金改善や業務負担軽減などの処遇改善に乗り出しています。また、長く働き続けやすいキャリアアップの仕組みづくりなども検討され始め、保育士の労働環境は今後次第に好転していくものと思われています。
保育士不足だからこそチャンス!自分が働きやすい職場を探そう!
求人倍率の高い保育士は、売り手市場といえます。より条件の良い職場を選ぶこともできます。保育士の待遇は改善されているとはいえ、保育所や施設によって待遇に差があるのも事実です。運営方針にも違いがあります。職場の人間関係に悩むこともあるでしょう。深刻な保育士不足だからこそ、保育士にとってはチャンスです。長く働くことで賃金や処遇はさらに上がります。自分が働きやすい職場を探して、思い切り働いてキャリアアップしてみませんか。