2018年11月
腰痛は保育士の職業病?腰痛予防のコツ
保育するときはしゃがむのが鉄則!
保育士とお世話をする園児との身長差が大きいために、さまざまな面において無理な姿勢をとることで腰痛が起こります。しかし、業務ごとに腰痛になりにくい姿勢のコツを覚えて実践すれば腰痛の原因のほとんどが解消できるでしょう。ポイントとしては、園児と接するときに立ったまま腰を曲げた姿勢を取らないことです。園児の正面に近づいてしゃがむことが鉄則で、前かがみになったり、腰をひねったりする動作を避けるのがコツです。
たとえば、寝かせておむつ交換をする際は、園児を床に近い位置に寝かせるのではなく、ある程度高さのあるおむつ交換台で行いましょう。前傾姿勢を取らずにすむため腰背部にかかる負担が減らせます。おむつ交換台のない場所で行う場合は、座るときになるべく両足を大きく開いて座るのがコツです。正座に比べれば前傾姿勢が多少はラクになります。股関節や膝に痛みがあるなら負担がかからないようにお尻の下にクッションを当てて保護しましょう。
また、授乳や沐浴、食事やトイレの介助なども、なるべく体をひねったり前かがみになったりしないようにします。なるべく作業台やイスやソファなどを使って、腰に負担のかかる姿勢を避けるように意識して気をつけましょう。
家に帰ったらストレッチ
保育施設や介護施設では腰痛の悩みが多発し、休日ごとに整形外科、整体、カイロプラティックなどに通う保育士も少なくありません。激痛のために離職せざるを得ない人もいます。腰痛が慢性化する前に対策を行うことが、腰痛予防のために不可欠です。そのためには、帰宅してから行うストレッチが有効です。
腰痛予防のためのストレッチメニューを紹介します。立ったまま足を交差して、前の足の膝は軽く曲げ、後ろ側の足の膝は伸ばします。そのまま上半身を前に倒して床に手の指先が付くように深く曲げましょう。次に、足の前後を入れ替えて同じように10回程度繰り返します。1日のうちに3回行うと効果的です。または、仰向けに寝たまま膝を伸ばして垂直に片足ずつ挙げるのでも構いません。左右20回ずつ、1日に2~3回行うとよいでしょう。膝関節と腰を伸ばしたり曲げたりするのに重要な働きをもつ体幹直立筋のストレッチになります。
他にも、周囲の筋肉を鍛えることで腰痛を予防する体操もおすすめです。仰向けに寝て両腕を胸の前で組み、膝を軽く曲げてお尻を持ち上げる動作を20回程度行います。1日に2セット行うと効果的です。また、そのままお尻を床に付け膝を曲げたまま、頭を少し持ち上げた姿勢を保ちます。頭の高さは、床から拳2つ入る程度です。動作をゆっくり行うのがコツで、頭を持ち上げるのに5秒、上げた姿勢を保つのに5秒、頭を床に戻すまでに5秒、この流れを30回程度繰り返します。次に、腕を頭の後ろで組み床に付け、膝を伸ばした足を左右交互に20回ずつ上げ下ろしします。1日に2回行うとよいでしょう。
腹ばいの姿勢でクッションやまくらを骨盤の下に置き、両手を後ろで組み、上体そらしの要領で頭を持ち上げます。20回程度を1日2~3回行うと、胸筋と背筋の強化になります。
重いものはみんなで分担
何人も乗せられる散歩車は、一人ひとり保育士が園児を高い位置まで抱えて乗せ下ろししなければならないタイプのものがほとんどです。1人で園児全員の乗せ下ろしを担当するのではなく、お散歩に行く保育士全員で分担しましょう。散歩車に何人も園児を乗せて押して歩くのも、結構な重さがあります。きれいな舗装された平坦な道でないと、かなり重く感じ腰背部へもかなりの負担がかかります。坂などのない押しやすいコースを選び、なるべく全員で交代しながら行いましょう。
できることなら散歩車は園児が自分で乗り降りできるものが理想ですが、そうでない場合は、散歩車の点検も定期的に行うことをおすすめします。整備不良ではスムーズに走行できず、余計に力が必要になってしまい疲労度も腰背部にかかる負担も増えてしまいます。
日々の対策が大切
保育士はやむを得ない場合もありますが、意識してなるべく腰痛の原因になる姿勢をとらないことが大切です。保育士の腰痛は職業病との認識が保育士全員にあります。協力し合いながら業務を分担したり、正しいストレッチや腰痛予防体操を取り入れたりして、積極的に意識改革している園もあります。
保育士が作業しやすいようにおむつ交換台や作業台など腰痛対策をしている園も増えているようです。自分でも、腰痛にならないようさまざまなシチュエーションの正しい姿勢が身に付けられれば心配には及びません。また、ストレッチや予防体操なども取り入れて日々腰痛対策しておくことが大切だといえます。
なぜ保育士はモテる?世の中が抱く保育士へのイメージ
常に笑顔!子供好きで優しそう
たとえ可愛いわが子であっても子どもの相手というのは疲れるものです。食事と寝ている時間以外はとにかく動き回り、気にいらないことがあれば泣き、疑問に思ったことは何でも質問してきます。1人でも大変ですが、朝から晩まで、複数の子どもを同時に相手にしているのが保育士です。保育士の仕事というと、とてもハードなイメージがありますが、そこをあえて自分の職業に選んでいる人はきっと子どもが好きで優しい人なのだろうなと感じる人は多いはずです。
また、子どもの好むピンクや薄いブルーなどの淡いエプロンを身に着けていることも優しそうな印象につながっています。子どもに好かれることが大前提となる保育士さんは、雰囲気がやわらかく笑顔がすてきというイメージを持たれることが多いです。
理想の結婚相手?良いお父さんお母さんになりそう
保育士は男性が結婚したい職業ランキング上位の常連です。2017年にマイナビウーマンが公開した「結婚したい職業ランキング」において、結婚したい女性の職業ランキングの第4位が保育士、保母さんでした。1位は根強い人気の看護師で、安定職として人気が高い2位の医師と3位の公務員に続く上位です。母数としてはもっと多い会社員や事務職が下位に沈んでいることを踏まえると、保育士は理想の結婚相手として人気が高いといえます。
また、女性と比べるとまだ少ないですが、男性の保育士というのも増えつつあります。総数が少ないためランキングには入っていませんが、ふだんから子どもの相手がうまい保育士の男性は共働きが主流となっている今の時代においては、結婚相手としての評価が高まっているといえます。
子供をあやすのもお手のもの!忍耐力がありそう
世の中に人と接する職業はたくさんありますが、子どもの相手というのはその中でも最も大変な1つです。保育士さんが相手にする0歳~5歳あたり子どものお世話は大変です。0歳はまだまだ赤ちゃんですので1日にミルクを数回与えるというお世話が必要です。ミルクも与えればすぐに飲んでくれるというわけではなく、1度に寝る時間もまだ短いため、ほぼ目が離せません。1歳を超えたあたりから徐々に好奇心が旺盛になり、知恵もついてきます。しかし、まだ物事を理屈で理解できる年齢ではありません。とにかく目につくいろいろなものを触ったり、時にはごみ箱を漁ったりもします。退屈すると大人の注意を引き付けるために悪戯をすることも覚えてきます。言い聞かせても大人のように理解ができないため、同じことを延々と繰り返したりもします。
そんな子どもを飽きさせないように楽しませ、同時にケガをしないように注意深く見守る保育士さんの仕事はたいへんな忍耐力を必要とします。そのため保育士なろうという人には、子どもが好きでもともとおおらかなタイプが多い傾向があります。飽きやすい子どもの関心をひきつけたり、楽しく一緒に遊んだりするにはコツがいります。毎日、いろんな子どもと接する保育士さんは、ぐずる子どもをあやしたり、個性の異なる子どもに合う遊び方を見つけたりするのが上手です。
将来を考えたときにポジティブなイメージが多い!
保育士の仕事は家庭での仕事との親和性が高めです。育児、家事などの仕事の要領がよい女性を妻にしたいと思う男性が多いのは、結婚後の生活がイメージしやすいためでしょう。また一方で、厚生労働省によると、1990年から共働き世帯は増え始め、今では妻が専業主婦という世帯の約2倍となっています。日本では共働き世帯のほうが主流となっており、さらにその数は増加していく傾向にあります。夫婦ともに働き、さらに子どもも育てるというのはとても大変です。妻が妊娠、出産、育児もしながら仕事を続けるためには、夫も家庭での仕事を分担する必要があります。その際、そもそも育児や家事に慣れている保育士の男性は、働く女性からすると結婚相手としてアドバンテージがあるといえます。このように保育士をパートナーに持つことは、男女ともに将来を考えた時にポジティブな選択肢となる可能性が高いといえるでしょう。
保育士の上履き選びのポイント
保育園の方針を確認
保育の現場で、ジャージやエプロンに次いで、必需品である上履きですが、どのようなものを選べばよいのでしょうか。まず、おすすめの上履き2種類について紹介します。
1つ目は、靴底がフラットで甲にゴムバンドがついているバレエシューズです。小学生が履いている上履きを想像してもらうと分かりやすいかもしれません。子どもにも軽くて履きやすいバレエシューズは、保育士の上履きとしても、疲れにくく動きやすい靴といえます。しかし、注意すべき点もあります。バレエシューズの底部分に色がついているものは、保育園の床に靴底の色がついてしまうことがあるため、底に色のついたバレエシューズを禁止している園もあります。
2つ目は、紐のないカジュアルシューズであるスリッポンです。スリッポンは、立ったままで脱いだり履いたりできるため、子どもを抱っこした状態でも靴の履き替えができます。
バレエシューズもスリッポンも履きやすく、人気があるため、他の保育士も同じような上履きを履いている場合もあるでしょう。急いでいるのに、どの靴が自分のものか分からず、探すのに手間取ってしまうかもしれません。もし、園の方針で可能でしたら、自分の靴がわかりやすいように絵を書いておくのもおすすめです。園児にも人気のキャラクターを書くと喜ばれますよ。
しかしながら、保育園の方針で靴の種類が決まっている場合があります。靴の種類以外にも、キャラクターものや、色が派手なものは不可など、園によって方針はさまざまです。購入前に確認するようにしましょう。
見た目よりも機能性を重視
園の方針で上履きは自由でよいと言われた場合「どうせならおしゃれなものにしたい」と考える人もいるかもしれません。しかし、上履きにおいては、見た目は二の次で、機能性を第一に選ぶことをおすすめします。
保育士の上履きは、元気いっぱいの子どもたちを追いかける靴、すなわち走れる靴である必要があるでしょう。それゆえに、スニーカーでもよいかもしれませんが、スニーカーは着脱の際に手間取ります。両手がふさがっていても、すぐに履いたり脱いだりできる靴であることも必要な条件ではないでしょうか。特に、保育園の中でも乳児担当の保育士の人は、赤ちゃんを寝かしつけたり、オムツを交換したり、上履きを脱いでの業務も多いので、着脱がしやすい靴を選ぶとお世話もスムーズに行えます。
さらに、保育士はしゃがんで子どもを対応することが多いので、しゃがんだときに甲に痛みを感じない柔らかい靴が望ましいでしょう。歩いたり、走ったりが多い保育士の上履きは、軽くて疲れにくい靴であることも重要なポイントです。
コスパも大切
機能性の次に大切なのは、コスパの良さです。靴の値段は種類によって、ピンからキリまであるので迷ってしまいますが、毎日履くものなので、あまりに安価のものはおすすめできません。すぐに穴が開いてしまったり、足にフィットせず靴ずれしてしまったりする可能性があります。
一方で、高価すぎるものもまた、おすすめできません。上履きは消耗品です。特に、保育士は歩くことが多いうえ、汚れる作業も多いため、定期的な買い替えが必要となります。そのため、高価な上履きは不向きといえるのです。他にも、子どものトイレの失敗や、食後の掃除などで上履きが汚れることもあります。洗い替えが一足あると安心です。
自分に合う一足を見つけて保育に役立てよう!
足を使う仕事ともいえる保育士にとって、上履き選びは大切です。靴が合っていないと、疲れやすかったり、思うように身体が動かなくなったり、仕事に支障をきたします。元気な子どものパワーに圧倒されないよう、常に自分が全力で動けるように準備しておきたいものです。ぜひ、「自分に合っている」と感じる上履きを探して、保育の現場に役立ててください。
保育士は自己評価が必須?自己評価ガイドラインとは
厚生労働省により努力義務が課せられている
保育士として働くからには常に職業上の努力を続け、成果を報告しなくてはいけません。これは「努力の義務」と呼ばれる考え方で、平成20年3月に公開された厚生労働省「保育所保育指針」によって位置づけられています。つまり、保育士の努力は、国から課せられた義務なのです。努力の内容は自己評価によって判明します。自己評価は、保育指針と同時期に制定された「保育所における質の向上のためのアクションプログラム」によって明記されました。
そして、平成21年3月に「保育所における自己評価ガイドライン」が公開され、保育士が自己評価を行ううえでの細かい項目が作成されました。これにより、日本全国の保育士は同じ基準で自らの努力を具体的に説明できなければいけなくなります。ガイドラインの中では、自己評価の目的から方法、集計された自己評価のデータがどのように取り扱われるかなどが説明されています。ガイドラインは厚生労働省雇用均等や児童家庭局保育課がエキスパートとの協議を重ねてまとめたものです。保育士がプロフェッショナルとして働き、業務改善へと積極的に取り組んでいくうえで、ガイドラインは欠かせません。そして、保育士ならばガイドラインの内容を詳しく知っておく必要があるでしょう。
なぜ自己評価が必要?
保育士が自己評価を行う目的として、もっとも大きいのは「保育の質向上」でしょう。保育士は0~6歳の幼児という、非常に繊細な相手と向き合う仕事です。保育士の仕事ぶりが幼児の人格形成に影響を与えることも十分にありえるでしょう。それほど重要な役割を担っている保育士が、向上心を持たずに勤務している状態は危険です。保育士の職業意識をうながし、成長を目指して日々の業務に取り組んでもらうため、自己評価のガイドラインは作成されました。
また、保育所側の「業務改善」においても、保育士の自己評価は役立ちます。保育士の質と同じく、保育所の環境もまた、預かる園児に強く影響します。保育所は問題があれば早急に対処し、安心して園児たちが過ごせる環境を整えなくてはいけません。そのためには、従業員からの声を集め、分析することが大切です。保育園は保育士の自己評価を元にして、教育制度の充実に努め、健全な経営を目指す義務があります。また、経営者側からは見落としがちだった現場の意見が、自己評価をきっかけとして見つめなおせる場合も生まれるでしょう。つまり、自己評価は決して保育士のためだけで終わるデータではありません。長期的に、保育園が業務内容を改善していくための参考となるデータであるべきだといえます。
正しい自己評価はとても大切なこと
保育士と保育園、双方が成長していくために、自己評価はガイドラインにしたがった正確な内容を守りましょう。ガイドラインによれば、自己評価は「計画」「実践」「評価」「改善」という4つの理念モデルから成立しています。保育士の主観によって自己を振り返るのではなく、あくまで「保育計画にどれだけ貢献できているか」との観点から、自己評価は行われるべきです。そして、自己評価は単に集計されるだけではなく、内容に基づいて保育園と保育士が改善点を見出すまでをひとつのプロセスとしています。
自己評価は日誌などで日常的に業務を振り返っていく方法、専用のチェックシートで客観的に業務を見直していく方法があります。そして、「自己評価を共有する方法」も、保育士の教育には欠かせません。研修会、セミナーなどの機会を利用して保育士同士が互いの自己評価を交換することも大切です。同じ職業で客観的立場の人間から返される反応によって、保育士が気づくポイントは多いでしょう。「日誌などの記録」「チェックシート」「情報共有」は、いずれかひとつに偏っていても正しい自己評価にはなりえません。3つをバランスよく取り入れてこそ、自己評価の正確性は高まります。
保育士に残業はある?保育以外の仕事とは
残業の内容
保育士は子どもと遊ぶだけの仕事ではありません。子どもの食事、トイレの補助や日常生活のサポートも行います。それに加えて、連絡帳の記入やイベントの製作物作成など、毎日膨大な雑務に追われることもあるでしょう。
基本の勤務時間は8時間となっていますが、延長保育を実施している園では、12時間近く保育活動を行っています。子どもがいる間は、お世話をすることが最優先となるため、なかなか雑務に手を付けづらいのが現状です。つまり保育士は、「子どもの面倒を見る」以外の仕事が、残業として発生しやすい環境にあるのです。
具体的な残業の内容としては、書類の作成とイベントの準備が挙げられます。保育施設では、行政に提出する書類が多いため、それらを園児の分だけ記入・提出する必要があります。また、これらの手続きは卒園の3月、入園の4月に集中するため、春先は残業が発生しやすい傾向です。また、保育園では定期的にイベントを開催することがほとんどです。保護者見学会、運動会、クリスマス会など、イベントを開催するたびに、保育士の負担は増加し、残業に繋がっていくのです。
残業時間はどれくらい?
国の統計によると、保育士の平均残業時間は1カ月で約4時間という結果です。一見残業時間が少ないように感じますが、実はこれには理由があります。
保育士の残業は、持ち帰って行うケースも多いため、実際はサービス残業が発生しているのです。園によっては、サービス残業が月に40~60時間に達するところもあります。1日に換算しても約2~3時間と、かなり多いことがわかるでしょう。サービス残業の場合は、給与が発生しません。もともと保育士の給料が低いことが問題になっていますが、サービス残業の時間が多いことも、その一因です。
保育園での仕事が終わった後、図書館で読み聞かせ用の本を借りたり、イベントに使う道具を買いに行ったりすることもあります。こういった保育園外での残業時間が多いことが、保育士という仕事の特徴となっています。
残業を減らすためのコツ
残業を減らすためには、保育士自身の工夫と保育園運営の見直しの両方が必要です。
まず保育士側は、「持ち帰り残業をしない」ことを心がけます。保育士として働く人は、子どものために頑張りすぎてしまう人が少なくありません。子どもたちが喜んでくれるようにと、ついつい手の込んだ製作物を作ってしまうこともあるでしょう。特に家に持ち帰って仕事をすると、プライベートな時間を削って仕事をしてしまいがちとなります。そんなときは、メリハリをつけて働くことを意識しましょう。すべてを手書き、手作りするのではなく、既製品の活用や使いまわしを上手に取り入れることで、業務量を減らすことができるはずです。
運営者側としては、保育士の雑務を減らす仕組みを作り上げることが大切です。雑務を専門に行うスタッフを採用する、イベント運営を外部の業者に依頼するなど、保育士が「子どものお世話に集中できる環境」を整えることで、残業時間は大きく削減できます。
残業削減に取り組む保育園を探そう
残業時間は、保育園によって大きく異なります。より良い環境で働くためには、残業削減に取り組む保育園を探すことが重要です。最も重要な点は、保育士の数です。子どもの人数に対して、余裕を持った人員が配置されている園であれば、保育士一人ひとりの負担は軽くなります。また、事務員が多く在籍している園も、残業削減効果が見込めます。
書類の作成や入室記録をIT化している園も、残業が少ない傾向にあります。保育園は昔からの慣習で、手書きが好まれる傾向にありますが、手作業は時間がかかりやすく、残業にも大きく影響してきます。積極的にパソコンやタブレットなどを用いて、デジタル化を進めている園は、保育士の働き方に配慮しているといえるでしょう。
残業が少ない園を探すときは、見せかけの残業時間にとらわれてはいけません。サービス残業が蔓延している保育の現場では、保育園側の具体的な取り組みを知ることが大切です。<
一年目はどう乗り切る?新米保育士の悩みを解決
園児の心をつかむコツ
保育士が園児と良好な関係を築くには「相手に好かれよう」という発想を変える必要があります。もちろん、園児に好かれるのは大切なのですが、それを目的にしてしまうと保育士から園児に働きかける場面が増えてしまい、園児の心を深く知る機会を失ってしまいます。真の意味で保育士が園児の心をつかみ、信頼されるには「聞く」ことに意識を傾けましょう。
たとえば、園児が話しかけてきたときにすぐ反応するのではなく、相手が言い終わるまで待ってあげます。語彙がつたなくて内容が分かりづらかったとしても真剣に耳を貸せば本当の意図が想像できるようになるでしょう。園児が何気なく発する言葉を注意しているだけでも、園児の関心が何にあるかを察することが可能です。「子供はこういうものが好きだろう」と決めつけるのではなく、同じ目線から園児を理解していきましょう。
保護者に信頼されるコツ
保育士は園児と仲良くなれたとしても、保護者に敬遠されてしまっては仕事がやりにくくなってしまいます。新人保育士にとって、保護者からの第一印象が今後に影響すると覚えておきましょう。「自分から挨拶をする」「敬語を使う」「笑顔を作る」などは常識のようでいて、意外と完璧に実践できている人は少ないポイントです。また、「じゃないですか」「っす」などの若者言葉も控えて、丁寧なビジネス敬語で話しましょう。
初対面の後も、保護者を尊重する姿勢で接します。「自分の方が子供について詳しい」という想いが少しでも表に出ると、保護者は反感を覚えます。あくまで子供を預かっている立場だと自覚し、細かい子供の行動まで保護者に伝えるようにすると徐々に信頼関係を結べるでしょう。ただし、子供をマイナス評価するような報告は厳禁です。どうしても伝えなくてはいけない問題があるなら「少し今日はお母さんが恋しかったみたいで」などの前置きをするなど、表現に配慮しましょう。
職場での良い人間関係を維持するコツ
保育士の現場は往々にして「女性の職場」になりがちです。そうでなくても、癖の強い先輩や、高圧的な上司がいる可能性もあるので人間関係には気をつけましょう。新人保育士が目をつけられるとしたらささいなきっかけが多いといえます。挨拶を必ずすること、親しくなる前にくだけた言葉を使わないことなどを徹底し、まずは同僚として認められるように努力します。真面目な人間だと受け入れてもらえれば、先輩達から輪に入れてくれるようになるでしょう。
とはいえ、どんな職場でも苦手なタイプはいるものです。嫌な先輩と仲良く仕事をするためには、相手を避けずに自分から話しかけてみましょう。嫌っていることが分かると、相手も頑なになっていきます。表面上は友好的に接していれば、相手も嫌がらせはしにくくなります。また、少なくとも一度は飲み会などで、苦手な先輩にもプライベートで付き合ってみましょう。上手くいかない恐れもあるものの、職場以外の状況で仲良くなれれば、仕事が楽になるからです。
悩みを相談できる相手を見つけよう
本人はどんなに努力していても、保育士は思わぬところでストレスがたまる仕事です。また、性格的に合わない保護者、先輩との付き合いについては解決策を見出せない場合もあります。新人のうちは園児たちも、自分より先輩保育士になつきがちです。こうした人間関係のトラブルは、転職を考えるほど深刻になりかねません。そうなる前に、本気で相談できる相手を見つけておきましょう。
可能なら、信頼できる先輩に話すのが理想的です。同期の保育士だと、相手もキャリアが浅いので的確なアドバイスをしてくれるとは限りません。保育士ではない相手も、的外れな反応をする恐れがあります。同じ職場の先輩なら事情を深く理解してくれたうえで経験に基づく答えを返してくれるでしょう。ただし、気軽に職場のグチを聞いてほしいのであれば、同僚ではない人間に話すのが得策です。
保育士の仕事を充実させよう!目標設定のススメ
目標設定が保育士の仕事にどう役立つ?
目標設定は、立派なものではなくてもよいです。仕事に対する目標を自分なりに考えて設定し、実際の仕事の中で目標と現実の差を体感することが重要になります。また、保育士として成長するためには、日々の小さな積み重ねも重要です。目標設定を行わず、ただ決められた業務をこなすだけでは成長できません。しかし、目標を強く意識して、達成しようと考えると、大きな負担となります。何年も先の目標ではなく、目先の達成できそうな目標を設定することがポイントです。達成できなかったとしても、現在の実力を実感できたことが成長につながります。
目標設定をするうえでは、同僚にも目標を理解してもらうことも大切です。目標設定を確認してもらい、「この目標は難しいのでは」など、厳しい意見も聞き入れましょう。目標設定に対する意見を聞く中で、さまざまなことも見えてきます。例えば、同僚の考え方を知ったり、チームプレーをするうえでの同僚との接し方を検討したりと、同じ職場で働く者同士の距離を縮めることにもつながるのです。目標設定は、設定する行為そのものも仕事の役に立ちます。しかし、目標を設定する過程で同僚を巻き込むことで、同僚との関係を良好に保つことにも役立つのではないでしょうか。
どんな保育士になりたいかをイメージするのがコツ
保育士の仕事において、目標設定をすることは大切ですが、どのように目標を決めればよいのか分からない人も多いでしょう。特に、保育士になったばかりであれば、働きはじめたばかりで目標など設定できないと考えてしまうのではないでしょうか。目標設定のコツは、「どんな保育士になりたいか」をイメージすることです。まず、将来的に達成したい目標と、目の前の小さな目標の2つを決めます。将来的に達成したい目標は、おおまかな内容を設定することがポイントです。
例えば、「保育士として一人前になる」「保育士を束ねるリーダーになる」など、すぐには実行できない目標のほうがよいでしょう。大切なことは、目の前の小さな目標を具体的な内容にすることです。将来的な目標に向かって必要なことを、連想ゲームのように考えていくと、具体的な目標が見えてきます。また、目標を決める際には、「自分が毎日できること」「積み重ねによって達成できるもの」の2つがポイントです。1日の努力で達成できるものでは、将来的な目標につながらず、成長もできません。
さらに、目標を達成するまでの期限を決めることも大切です。細かな期限も決めると、目標を達成できた時の自分を想像しやすくなります。期限内に小さな目標を達成していくと、将来的な目標に一歩ずつ近付いていることを実感できるため、モチベーションをあげることにもなるでしょう。漠然と大きな目標を考えようとせず、将来に向かってステップアップする形で順序立てることによって、目標設定はスムーズに行えます。ただし、目標を意識しすぎてしまい、目標に追い詰められないように注意が必要です。保育士としての成長のために目標設定を行ったのにも関わらず、重荷となり精神的に追い詰められてしまっては意味がありません。目標を達成するための行動を起こせない日もあります。目標設定をするうえでは、自分に厳しくしすぎないことも大切なことなのです。
目標に向けて保育の質を上げていこう
目標設定を行う際には、「将来的にどのような保育士になりたいのか」「なりたい保育士になるためには何をすればよいのか」の2つを軸に考えます。中には、保育士の仕事に対する目標設定を行ったものの、余裕のなさから目標を念頭に仕事ができない人も多いのではないでしょうか。目標達成の期限を長く設定し、余裕がないときには無理をしないことも重要です。将来の大きな目標に向かって、目の前の小さな目標から確実に達成していきましょう。
保育士だと補助金がもらえる?その内容とは
保育士の補助金制度とは
共働き世帯が増えたことなどを背景に、保育所の需要が非常に高くなっている昨今。しかし、その需要に対して保育士の数が間に合っていないのが現状です。これは人口の多い都市部に限った話ではなく、地方都市でも同じ問題が起きています。この問題を解決しようと、中には補助金を出して保育士の待遇改善を図っている自治体もあります。例えば東京都世田谷区では、住宅確保支援のために月額82,000円を上限として家賃補助を実施しています。家賃負担が減ればその分給与を自由に使えますので、暮らしやすいと感じる人は多いでしょう。ちなみにこの制度は2015年から2020年までの期間限定の支援です。
また、他にも修学支援をして保育士資格取得のサポートをしたり、給与アップのための補助金を出したりする自治体もあります。補助金の内容は自治体ごとに異なりますので、それぞれのホームページなどで確認しましょう。この他に、国から出ている補助金もあります。「処遇改善手当」と呼ばれるもので、保育士の給与アップを目的とした補助金です。役職に応じて月額5,000円~40,000円が支給されます。この補助金は保育士一人ひとりに分配されるものではなく、園に一括で支払われるもので、どのような形で支払われるかは園によって異なります。月々の給与に上乗せすることもあれば、賞与とまとめて支払われる場合もあるのです。この制度は、2017年度から実施されています。
補助金を実施している自治体
保育士に対して補助金を出している自治体は全国にあります。例えば、東京都は世田谷区だけでなく、23区のほとんどが家賃補助を実施しています。家賃補助の他に、杉並区では区内で使える商品券5万円分を支給したり、千代田区では国からの処遇改善手当をさらに上乗せして支給したり、独自の取り組みをしている自治体も少なくありません。また、東京都のお隣千葉県では、船橋市で修学支援金や家賃補助が出されています。
関西地区では、大阪府大阪市で「新規採用保育士特別給付」という補助金があります。これは、保育所で働き始めたばかりの保育士や市外で働いていて離職した人向けの補助金です。対象となる保育士に特別給付を行った園に対し、年間10万円を上限として補助金が支給されます。就職してから1年が経ったあとも働き続けている対象者に対し特別給付を行えば、さらに10万円が支給される制度です。ただし、これは特別給付を実施している保育所のみを対象とした補助金です。就職先を探すときには、特別給付の有無やその具体的な内容を自分で確認するようにしましょう。また、大阪府全体では未就学児を持つママさん保育士のために、保育料を支援する制度もあります。他にも九州や沖縄などでは、地方都市ならではのユニークな支援策を提案している自治体も多数あります。なお、ここで紹介した制度はすべて2018年現在のものです。また、派遣社員は適用外となる場合もありますのでご注意ください。
補助金の仕組みを正しく理解して活用しよう!
このように、全国各地で保育士に対する待遇改善が進められています。それぞれの自治体に特色がありますから、自分の住んでいる町やその周辺の自治体ではどんな取り組みがされているのかを知れば、就職先を探すときに有益な情報になるはずです。しかし、補助金によっては園ごとにその使途が異なることがあるので注意が必要です。例えば国が出している「処遇改善手当」は、必ずしも保育士に分配しなくてはならないものではありません。設備費として使われたり、役員の臨時ボーナスに充てられたりすることがあり、保育士の給与に反映されないこともなくはないのです。
また、家賃補助に関しても、どれだけ支払われるかは自身の状況によって異なります。「上限82,000円」だからといって、必ずしもこの金額が支払われるわけではないので注意しましょう。以上見てきたように、自治体ごとに保育士向けの補助金がいろいろあり、その金額もさまざまです。園によっても対応が違うことがありますので、就職先を探すときにはその点もきちんと調べることをおすすめします。
保護者や園児にウケが良い自己紹介方法を紹介!
保育士が自己紹介する場面は多い
仕事でもプライベートでも、初対面の人には自己紹介をすることが基本ですが、ほとんどの場合は1対1や数人を前にしての自己紹介となります。しかし、保育士の場合は、園児や保護者など大勢の前で自己紹介をする機会が多いものです。新しく保育園に就職したときはもちろん、新しいクラスを担任することになるときや、担当の行事を実行するときなどさまざまあります。大勢の前で話をするときには、自己紹介が必要となることが多いので、コツを覚えておくと役立つでしょう。
そもそも、自己紹介とは名前や趣味など自分についての情報を相手に知ってもらうために行うものですが、大切なのはそれだけではありません。毎日接することになる園児や大切な子どもを預ける保護者は、自己紹介を聞いてその保育士の人柄などを想像します。人は第一印象が重要といいますが、自己紹介は自分の印象を左右する大きなポイントです。そのため、園児に興味を持ってもらい、保護者には安心して子どもを預けられる人という印象を与えられる内容を考えることも大切です。
園児の心をつかむポイント
自己紹介で園児の心をつかむには、言葉よりも視覚や感覚で楽しめる内容にしたほうが興味を引きます。大人は内容によって興味を持てるか持てないか判断しますが、小さな子どもは感覚的にワクワクするものに興味を持ちやすいからです。たとえば、自己紹介を始める前に一緒に手遊び歌をして、園児たちの心を引き寄せます。そうすると「この先生は楽しい手遊び歌で遊んでくれた。次は何をするんだろう」と興味を持ってくれるのです。
自分の名前や趣味などを発表するときは、絵や小物を取り入れて紹介します。画用紙などに好きな食べ物や得意なことを描いておき、1つずつ出してクイズ形式にするのも良いでしょう。絵以外にも、折り紙やフェルトなどを使って小物を作るという方法もあります。また、自作の紙芝居やパペットでの自己紹介も個性的で興味を引くはずです。
それから、園児の前で自己紹介をするときは、簡単な言葉を選んで大きな声でゆっくり話をすることもポイントです。大人同士の会話と同じような言葉やテンポで話をしても、園児たちには難しくてうまく伝わりません。たくさんの園児がいる前ではお腹から声を出し、一人ひとりがしっかり聞き取れるよう意識します。
保護者に信頼されるポイント
園児だけでなく、保護者の信頼を得ることも忘れてはいけません。自己紹介で「この保育士なら安心」と信頼してもらえると、保護者との関係も良好になりやすいのです。一般的な自己紹介の内容とともに、これまでも保育士として働いていた人は「〇年間保育士をしております」など、経験があることを伝えます。初めて保育士として働く人は「いろいろな経験を通じて子どもたちと一緒に成長したいと思います」など、向上心をアピールしましょう。これからどんな風に子どもたちと接したいのか、どんなクラスにしたいのかを伝えることも大切です。
また、保育園では子ども同士が些細なことでケンカをすることや、何かトラブルが発生する可能性があります。そこで、良い部分だけでなく、問題が起きたらどのように解決するかを伝えておくと保護者は安心です。たとえば「ケンカやトラブルが起こったときは、子どもと一緒に解決できる方法を考えていけたら良いと思います」という感じです。最後に「気になることがある場合は、些細なことでもお話ください」など、保護者の不安や悩みを聞く気持ちがあることを伝えます。「些細なことでも」と付け加えるだけで、保護者は相談しやすくなるのです。
上手な自己紹介のやり方をマスターしよう!
自己紹介は自分の印象を決める大切なポイントです。園児や保護者に良い印象を持ってもらうためにも、じっくり内容を考えましょう。とはいえ、大勢の前で自己紹介をするのは緊張するものです。自己紹介を成功させるためにも家族や友人、同僚の前で練習しておきます。なぜなら、誰かにチェックしてもらうことで、改善したほうが良い点などを指摘してもらえるからです。方法や内容を工夫しながら、上手に自己紹介をしましょう。
妊娠しても保育士なら復職しやすい?その理由とは
保育士は全国的に人手不足
社会的に大きな問題になっている待機児童。政府もただ単に傍観しているわけではありません。厚生労働省では、待機児童解消に向けて、保育の受け皿を増やそうとしています。その数はなんと約40万人分です。もちろん、受け皿を増やすには、当然保育士の数も必要になります。しかし、受け皿の数に対して、保育士の数はまだまだ足りていないというのが現状です。保育士は全国的に慢性的な人手不足に陥っているのです。
求人数は全国で多数ある
保育士の求人数は全国で多数あります。実際、厚生労働省の公式サイトによると、保育士の平成27年1月の有効求人倍率は、なんと2倍超となっています。この数字からは、いかに全国の保育施設で保育士が求められているのかが読み取れます。
産休や育休を取れることも
保育士は人手不足のため、産休・育休がとりにくいと思っているかもしれません。しかし、そんなことはありません。妊娠・出産後も勤めてもらうために、体制を整えている保育園も多いのです。それにはまず産休・育休がどういうものなのかを知る必要があります。
まず産休とは女性が子供を産むために取得する事ができる休業期間のことです。そのため、男性の保育士は取得することはできません。また、一口に産休と言っても、産前休業と産後休業に分かれます。産前は妊娠した女性が保育園側に休業したいと申し出ると取得することができます。産後については、申し出る・出ないに関わらず、6週間は強制的に休まなくてはならない決まりになっています。それ以降は女性が保育園に働きたいと申し出て、さらに医師の許可が出ると働くことができます。一方、育休は1歳未満の子供を育てるための休業期間です。平成29年1月に施行された改正育児・介護休業法によると、全ての保育施設に適用されることになっています。また、育休の場合は男女関わらず、申請することができます。
パートやアルバイトという雇用形態で保育士をやっている場合でも、勤務先の保育園の健康保険に入っていれば産休・育休を取ることに問題ありません。ただし、例外もあります。それは「雇用期間が1年未満」「1年以内に雇用が終了予定」「週の所定労働日数が2日以下」である場合です。くれぐれも注意してください。
中には、産休・育休を利用することで保育園に良くない感情を抱かれてしまうかもしれないと不安に思う人もいるかもしれません。しかし、解雇や減給、降格があった場合は、都道府県の労働局で相談することができます。しかも、相談は匿名でもOKです。相談したことが保育園にバレてしまう心配はありません。
好待遇の職場を見つけよう
産休・育休をはじめ、好待遇の職場を見つけたいという人も多いのではないでしょうか。しかし、いったい、どんな保育園があるのか分からないといった人が大半です。そこで、利用したいのが一緒になって条件に合った保育園を探してくれる人材紹介・派遣会社です。そのような会社のコーディネーターを通して、希望する条件を提示すると、数ある求人の中から最適な保育園を選んでくれます。また、中には保育士としてブランクがあり、面接などでどんなことを言っていいのか分からないという人もいるでしょう。そんな場合も、人材紹介・派遣会社を通せば、事前に面接や面談の練習を行なってくれたり、対策を打ち合わせしてくれたりします。