投稿日時:2018年4月27日
地域限定保育士って何?
地域限定保育士というものをご存じですか?一部の地域で通常とは別枠の試験を実施し、合格チャンスを増やすことで、深刻な問題となっている保育士の人材不足を解決しようという制度です。
その名の通り、試験を受けた地域限定で働くことができる保育士ですが、具体的に通常の保育士と比べてどう違うのでしょうか。
今回のコラムでは、試験を受けるにあたっての注意点や合格後のことなど、地域限定保育士の気になる点を紹介していきます。
合格した地域で3年間は働く義務がある制度
地域限定保育士になると、試験に合格した地域のみで保育士として働くことになりますが、「そのままずっと」というわけではありません。
地域が限定されるのは、初めの3年間だけです。
その後は通常の保育士として、他の地域でも働くことができます。
そもそも、地域限定保育士という制度は、人手不足が大きな問題となっている保育士の現状を打破するための制度なので、通常の保育士と業務内容や待遇が変わることはありません。
ただし、3年間は働く場所が制限されるため、その地域でも問題なく働けるかどうかをよく考えてから受験するようにしましょう。
難易度は?一般の保育士試験と違いはあるの?
保育士の資格取得を考えている方にとって、試験難易度というのは一番気になる部分でもあるでしょう。
結論からいうと、地域限定保育士の出題範囲や難易度は、基本的に通常の保育士と変わりません。
地域限定保育士は、合格後の処遇は一般とは異なるというだけなので、試験そのものは一般の保育士試験と同等に扱われます。
ただし、地域によっては独自の試験や講習会などが追加実施される場合があります。
地域限定保育士の試験を受験する方は、自分が受験する地域での試験内容をしっかりと確認したうえで挑むようにしてください。
上手く利用すれば保育士合格率アップにつながる!
通常の保育士の試験では、受験した年を含めて3年間の科目合格制度があります。
たとえ、最終結果が不合格だとしても、一部の科目が合格基準を満たしていた場合、3年間はその科目を免除して試験に挑むことができます。
これは地域限定保育士の試験も同様です。
一般の試験で合格した科目は地域限定保育士の試験でも免除されますし、逆に地域限定保育士の試験で合格基準を満たした科目は、次回以降の保育士試験でも免除されます。
この制度を理解したうえで試験に臨むことで、保育士合格率はグッと上がることでしょう。
一度目の不合格に落ち込むことはありません。
その努力は確実に次につながっているのだということを忘れないでください。
他県在住者も受験できるの?
地域限定保育士とは、あくまで3年間は合格した地域でしか働けないという資格ですので、試験会場に行けるのであれば、他県在住の方でも受験することができます。
ただし、合格してしまうと3年間はその地域でしか働けなくなってしまうので、注意が必要です。
身近に地域限定保育士の試験を実施している自治体がない場合は、引っ越す必要が出てくる可能性もあるので、受験する前にはある程度の準備はしておきましょう。
背景にある深刻な保育士不足
保育士の深刻な人材不足の原因はさまざまです。
給与の低さや、ひとりにかかる負担の大きさなどもありましたが、これまで年に1回しか保育士試験を実施してこなかったというのも、保育士不足の原因の一つでした。
そんな現状を解決するために、国は2015年に「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律」を成立させました。
これにより、従来の試験に加えて行えるようになったのが、地域限定保育士の試験です。
2016年から一般の試験も年に2回となり、さらに地域限定保育士の制度が導入されたことで、特に不足している自治体は優先的に保育士資格取得者の母数を増やしやすくなりました。
地域限定保育士は、3年間働く場所が制限されるものの、それ以降は通常の保育士として、別の地域でも働くことができます。
その条件で問題ないという方は、試験に合格するチャンスを増やせると思って、選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。