投稿日時:2018年4月27日
保育園での乳児遊びってどんなことをするの?
言葉でコミュニケーションのとれる幼児とは違い、乳児の保育はなかなか具体的な遊び方がイメージできないかもしれません。
乳児保育の遊び方は乳児の発達に合わせて段階的に行うもので、人格形成の要となるほど重要ともいわれています。
ここでは、仰向け寝からおすわりへの発達に合わせた遊び方と、乳児保育が果たす大きな役割についてご紹介します。
乳児とは?保育園と幼稚園の違い
まず、乳児とは具体的に何歳までの子どもを指すのでしょうか。
厚生労働省の定義では乳児とは1歳未満の子どもを指すことになっています。
小学校就学前の子どものための教育機関は保育園と幼稚園がありますが、満3歳にならないと幼稚園に入園することはできないため、乳児を預けるならば保育園を選ぶことになるでしょう。
保育園と幼稚園のもっとも大きな違いは、保育園は子どもを保育する児童福祉施設であり、幼稚園は子どもに教育を施す教育施設であるということです。
そのため、保育園の先生は保育士資格、幼稚園の先生は幼稚園教諭免許を取得していることが求められます。
乳児期の遊び方とその目的
乳児とされる0~1歳までは、人間が生涯でもっとも大きく発達する時期だといわれています。
その発達を促進するよう、乳児保育の遊び方は乳児の段階に合わせたさまざまな刺激を与えることが重要です。
仰向け寝の時期には、音の出るおもちゃで視覚と聴覚を使うような遊びが刺激になりますし、ほおや手に触れる遊びは触覚を発達させることができます。
寝返りやおすわりができる6カ月ごろからは、身体を回転させたりおもちゃを持って手先を使うなど、自分から動いたり触ってみたりする遊びが役立つでしょう。
成長に合わせ段階的に刺激を増やしていくことで、乳児の心身の発達をより促進することができるのです。
乳児保育の重要性とその意義
もっとも大きく心身が発達する乳児期の体験は、その後の成長の大事な要です。
この時期の体験によって、周りへの信頼感や自己肯定感などの基本的な情緒を十分持てるかが決まってくるといわれています。
乳児ともっとも密にコミュニケーションするのはもちろん親ですが、保育園で一緒に過ごす保育士とのコミュニケーションも成長に大きな影響を与えるでしょう。
保育士と過ごす外の世界が愛情ある心地よいものなら、子どもは周りへの信頼感を持ってすこやかに成長することができるのです。
役割の重要さにプレッシャーを感じるかもしれませんが、そのぶん非常にやりがいのある仕事ともいえます。
乳児保育と保育現場への負担
乳児保育は保育現場への負担がかかりやすいといわれています。
1歳児、2歳児であれば保育士の配置基準は子ども6人に対して1人ですが、乳児の場合は3人に対して1人となっており、より人員が必要です。
また、乳児はおもちゃの誤飲や転落を起こす可能性も大きく目を離せません。
言葉でコミュニケーションが取れないので泣き声や動作を読み取らねばならず、保育士の払う労力も大きくなります。
また、共働きの家庭が増えるなど社会の変化によって乳児保育の需要が高まっているため、現場の人手不足に悩む保育園が増加していることも大きな問題となっています。
これからの乳児保育の在り方
国は2013年に「待機児童解消加速化プラン」を掲げ、保育園の整備や保育士の確保を推し進めることで、保育士不足と待機児童問題の解決を図ってきました。
しかし、人格形成の要を担う乳児保育に必要とされているのは良質な保育士であり、資格を持っていればよいというものではありません。
保育士自身が経験を積み学び続けていけるよう、職場の環境や保育士への待遇もまだまだ改善が必要です。
働きやすい職場で経験を積むことで保育士自身が成長できれば、それが良質な乳児保育につながっていきます。
保育園や人員の数を増やすだけでなく、保育士への環境を整備することで、より充実したゆとりのある保育を目指すことが、今後あるべき乳児保育の形といえるでしょう。